NEGRONI(ネグローニ)のドライビングシューズ。
クルマ好きにとっては、憧れの存在かもしれません。
ネグローニは、日産やフランスのアルピーヌなど数々の車メーカーとコラボしていることでも有名です。クルマメーカーの新車開発担当者が製品に魅了され、コラボを持ちかけたこともあるとか。
品質が高いことは間違いありませんが、その分価格も普通のドライビングシューズの約2倍となっていますので、購入をためらう方もいるかもしれません。筆者もそのうちの一人。以前から気になっていましたが、なかなか手が出せませんでした。
しかし、「実際に見て触って使ってみる」をモットーにしているブロガーとして、是非とも試してみたいアイテムでした。
そこで、今回は、ネグローニのドライビングシューズの定番「イデア」を購入した筆者が、実際に使ってみた本音レビューをお届けしたいと思います。
結論から言うと、「沼にはまりそう」です。
このレビューがネグローニのドライビングシューズに興味のある方の参考になれば幸いです。
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この記事のまとめ
イデア・スモーキングカーフ(色:トープ)のレビュー
良い点
- 正確なペダル操作ができる。
- 素足のようなフィット感で歩きやすい。
- デザイン性と質感が高く、いつでも履きたくなる。
- ソール修理プログラムがあるから長く愛用できる。
気になる点
- アウトソールのヒールが多少高い。
- レディースの展開がない。
- 価格が高め。
1 ネグローニとは
NEGRONI(ネグローニ)は、株式会社マルミツが展開するドライビングシューズとレザーグッズのブランドです。
同社は1969年創業し、2000年にネグローニを立ち上げました。ネグローニのロゴには、その創業年とブランド創設年が刻まれています。
ネグローニの製品は、すべて東京都荒川区南千住の工房で生産されており、純国産として知られています。
ネグローニというブランド名は、イタリア・フィレンツェ生まれのカクテルNegroni(ネグローニ)から着想を得て名付けられました。
このイタリアへのこだわりは、靴作りにも反映されています。革素材の多くは、イタリアから直輸入され、デザインにはイタリアンテイストが取り入れられています。
ネグローニのドライビングシューズは、国内の自動車メーカーの新車開発担当者などの関係者に広く使われ、人気を集めています。また、海外のIT企業の役員など目が肥えた外国人からの引き合いも多く、世界中のクルマ好きから注目されています。
製品は、1足ずつ手作業で一般的なシューズの倍以上の時間をかけて製作されています。
2 なぜネグローニなのか
筆者がネグローニのドライビングシューズに注目した理由を説明します。まず、ドライビングシューズは、一般的に次のような機能を持ちます。
- アウトソールが薄く、ペダル操作がしやすい。
- アウトソールが滑りにくく、誤操作が起きにくい。
- アウトソールがかかとを覆うように作られ、かかとの接地性が高い。
- 細身のデザインで、他のペダルに干渉しにくい。
- 運転以外の用途にも使える。
似たものとしてレーシングシューズがありますが、こちらはサーキット走行やジムカーナなどの競技向けに作られており、日常生活での使用には向いていません。
これに対してドライビングシューズは、運転が快適であるだけでなく、普段使いにも対応できるように設計されています。つまり、運転と普段使いのバランスを重視しているのです。
筆者は、これまでに何足かのドライビングシューズを試してきましたが、普段使いに満足できるシューズには出会えていませんでした。そのため、愛車には普段使いのシューズを常備し、クルマを降りるたびに履き替えていたのです。
ネグローニに惹かれたのは、日常使いとしてのデザイン性の高さです。ネグローニを手に入れれば、シューズを履き替える手間が省けると期待したわけです。
さらに、ネグローニを何足も所有する方々の体験談に興味を持ちました。例えば、次の方々の体験談です。
まるも亜希子(モータージャーナリスト)さん
「夫が常にドライビングシューズ『NEGRONI(ネグローニ)』を履いている件」
「ドライビングシューズ「NEGRONI(ネグローニ)」を5足も履き続ける理由」
これらの方々は、ネグローニの履き心地(フィット感)、デザイン、質感の良さの3点を挙げて賞賛されています。
このように何足も買ってしまう「沼のようにはまる商品」とはどんなものか、試してみたくなったわけです。
3 ネグローニの本社を訪問してみた
ネグローニのドライビングシューズを購入するために、ネグローニの本社であるファクトリー・トーキョーに事前予約をしてから訪問しました。
事前予約は、こちらから取ることができます。
本社は、東京都荒川区南千住8丁目に位置し、首都高速道路の入谷出口から3㎞ほどの場所にあります。駐車場が数台分用意されているため、クルマで訪問することにしました。
1階が工房、2階がギャラリー&ラウンジとなっています。
予約の時間に訪れると、2階に案内されました。2階には、ネグローニのドライビングシューズが壁一面に展示され、ローキャビネットの上にも所狭しと並べられていました。
これだけのドライビングシューズがまとめて展示されている空間は、日本中探しても他にはないかもしれません。正に圧巻でした。
応対してくださったのは、ネグローニのブランドディレクターの宮部さん。筆者の足の形を見て、すぐにフィットする形とサイズのシューズを用意してくれました。
4 ネグローニのドライビングシューズ
筆者がフィッティングさせてもらったのは、次のシューズです。
4-1 IDEA(イデア) シルバー&ブルー
発売から15年以上が経過し、今なお多くのクルマメーカーの開発担当者やファンを魅了している定番商品です。
アッパーには、平均1.6mmの肉厚の子牛革を使用しているにもかかわらず、特殊なめし加工がされているため、しっかりした作りながらもしなやかな履き心地を実現しています。
この革は「ネグローニレザー」と呼ばれています。
アウトソールには、イタリア・ヴィブラム社製の高性能なゴム素材が使用されており、ソールの角が丸められ、かかと部分が覆われる構造となっているため、ペダル操作をミスなく行うことができます。
さらに、ドライビングだけでなく、かかとのクッション性が高く、「ガンガン歩いても全く問題ない」とのことです。
足を入れると全体に包みこまれるようなフィット感です。日本人の足に徹底的に合わせて作られているだけあって、これまで履いていた外国製のドライビングシューズとはフィット感のレベルが全く異なります。非常に快適です。
注意点
ネグローニのシューズをフィッティングして、サイズ感が分かりました。筆者の普段のシューズ・サイズは26.5cmですが、ネグローニのシューズでは25.5cmでした。ご購入される方は、通常の0.5cmから1cm下のサイズを選ぶことをおすすめします。
詳しくは、こちらをご覧ください。
こちらはホワイト/ブルーですが、良い色だと思います。
4-2 IDEA(イデア) パンチングレザー・ブラック&メタルシルバー
ネグローニレザーにパンチング加工を施し、通気性と軽量化を実現した商品です。
ネグローニの商品に共通して言えますが、靴の木型に3Eを基準として使っているため、幅と甲に充分なボリュームがあり、多くの日本人の足型に適合します。
パンチングのないものと比較すると、アッパーがよりしなやかに感じました。色は好みによりますが、履き心地がやさしく快適性が高かったです。
4-3 IDEA COLSA(イデア・コルサ) レッド
イデア・コルサは、ネグローニレザーとカーボンファイバーを組み合わせてデザインされたネグローニのフラッグシップモデルです。
インソールとアッパーのサイドエンブレムには、カーボン素材が用いられ、耐久性の剛性感を高めています。また、ヒールやトップライン、そして象徴的なデザインのツインアイレット(写真ではアッパーの黒い部分)には傷や汚れが付きにくいカーボン・スプリットレザーが採用されています。
インソールのヒール部分は比較的薄く作られています。
イデアとは明らかに異なる履き心地です。包み込まれるような柔らかさだけでなく、しっかりとした剛性感を感じます。一番の違いはヒール部分の厚みです。イデアよりも明らかに薄く、ペダル操作のダイレクト感がより強く感じられる仕掛けだと感じました。ヒール&トーをしやすそうな印象です。ドライビングを追求した商品のようです。
日産とのコラボしたイデア・コルサもあります。FAIRLADY Zのモデルです。さりげなく入っている「Z」のエンブレムがにくいですね。
4-4 IDEA SMOKING CALF(イデア・スモーキングカーフ)
最後に筆者が一目惚れして購入したのが、このスモーキングカーフです。
イデア・スモーキングカーフは、基本的には定番商品であるイデアと同様の構成ですが、アッパーの素材にイタリア・トスカーナ産の水牛(バッファロー)の子牛革を使用しています。
全体に霞みがかかったようなムラ感を出した革(スモーキングカーフ)で、仕上げにバーニッシュ(焦がし)加工が施されています。
購入手続き中に次の予約の方が来店され、あっという間に予約時間の1時間が経過しました。
久しぶりにワクワクするような買い物をすることができ、満足できる体験でした。
帰る際には、1階のファクトリーを見ることができました。訪問したのが土曜日だったため、職人の方々はお休みのようでしたが、職人の働く場所という雰囲気です。
5 ネグローニのイデア・スモーキングカーフの本音レビュー
実際にイデア・スモーキングカーフ(色:トープ)を3か月間使用した筆者の正直な感想を、良い点と気になる点に分けてお伝えします。
5-1 ネグローニ・イデア・スモーキングカーフの良い点
良い点と感じた点は次の4つです。
良い点
① 正確なペダル操作ができる。
② 素足のようなフィット感で歩きやすい。
③ デザイン性と質感が高くいつでも履きたくなる。
④ ソール修理プログラムがあるから長く愛用できる。
1つずつ説明しますね。
5-1-1 良い点① 正確なペダル操作ができる。
イデア・スモーキングカーフは、しなやかさと剛性感が両立されているためペダル操作がスムースです。
ソールのサイド部分に余計な凹凸がないので、アクセルとブレーキの切り替えが素早く行え、隣のペダルに干渉することがありません。
特に、ソールのトー部分が薄く、足裏でペダルの振動を感じ、ペダイレクトな操作感があります。
また、かかと部分の剛性が高く、ソールが丸められているため、かかとが床に着いた状態での操作が自然です。
5-1-2 良い点② 素足のようなフィット感で歩きやすい。
日本人の足の形にフィットするように設計されており、全体にやさしく包まれているような感覚があります。
つま先からかかとまで、一定のホールド感があり、違和感がありません。履いていることを忘れるくらい自然なフィット感で、他のシューズでは経験したことがないような快適さです。
いわゆる「靴ずれ」ができるような箇所が一つもありません。
また、イデアシリーズは、他のドライビングシューズやイデア・コルサと比較して、かかと部分のソールがわずかに高いようです。
その分、歩行がしやすいため、クルマを降りた後でも、観光や食事、買い物など歩くことがあっても躊躇なく使えます。
5-1-3 良い点③ デザイン性と質感が高くいつでも履きたくなる。
カジュアルな使用シーンでも違和感なく履けるデザインであり、革の加工や縫製が丁寧で、質感が高いため、何度履いても満足感を得られます。
ドライビングシューズ特有の薄いアウトソールさえ、ファッション性に貢献していると思えてしまいます。
5-1-4 良い点④ ソール修理プログラムがあるから長く愛用できる。
ネグローニの修理プログラムが充実しており、アウトソールのすり減りやダメージに対応できます。
アウトソールの交換だけでなく、インソールや靴紐の交換に対応するコースなど3つのプログラムから選択することができます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
これならガンガン歩いて、アウトソールがすり減っても安心です。
5-2 ネグローニ・イデア・スモーキングカーフの気になる点
次に気になる点ですが、正直、それほどなかったのですが、3点挙げてみます。
気になる点
① アウトソールのヒールが多少高い。
② レディースの展開がない。
③ 価格が高め。
5-2-1 気になる点① アウトソールのヒールが多少高い
イデアは、アウトソールのヒール部分がイデア・コルサと比較して多少高くなっています。
インソールのかかと部分も補強されているため、ウォーキングには適していますが、マミュアル車の運転ではヒール&トー※の操作が多少しにくく感じるかもしれません。慣れれば問題ありませんが、かかとを使ったアクセル操作に違和感を持つかもしれません。
※シフトダウンに合わせて、右足のつま先でブレーキを踏みながら、かかと部分でアクセルを踏んでエンジン回転を合わせるペダルの操作方法
5-2-2 気になる点② レディースの展開がない
ネグローニの他のシューズにも当てはまりますが、ネグローニのシューズにはレディース用がラインナップされていないことが残念です。
ただし、オーダーすれば、レディース用のシューズを製作してもらえるようです。クルマ好きの女性によっては、少し不便かもしれませんが、オーダーメードの選択肢がある点はプラスです。
ちなみに、モータージャーナリストの竹岡圭さんもネグローニを使っているようです。
「TOP 愛車広場 クルマに乗って働く素敵女子 モータージャーナリスト編」
5-2-3 気になる点③ 価格が高め
気になる点の最後は、価格が高めなことです。
筆者が購入した「イデア・スモーキングカーフ」は、36,300円でした。
ただ、ドライビングシューズとしての機能性やデザイン、品質を考えると妥当だとは思います。クルマに乗る際に履き替える手間や、長く愛用できる修理プログラムなどを考えると、価格以上の価値があると言っていいかもしれません。
以上がイデア・スモーキングカーフ(色:トープ)のレビューです。今後も大事に履いていきたいと思っています。
この記事のまとめ
イデア・スモーキングカーフ(色:トープ)のレビュー
良い点
- 正確なペダル操作ができる。
- 素足のようなフィット感で歩きやすい。
- デザイン性と質感が高く、いつでも履きたくなる。
- ソール修理プログラムがあるから長く愛用できる。
気になる点
- アウトソールのヒールが多少高い。
- レディースの展開がない。
- 価格が高め。
最後に
履き心地の良さに、クルマで外出しないときでも履きたくなります。これはちょっと想定外でした。そして、早くも次のネグローニのシューズを買うための検討を始めています。
今度は、イデア・コルサがいいかな~、いやイデアの色違いも欲しい、などと考えています。
気が付くと「ネグローニの沼」にはまっているというわけですね。
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