椿ライン「頭文字D」聖地巡礼|僕がロードスターで最初に目指した理由

芦ノ湖スカイラインからの眺望写真に「椿ライン「頭文字D」聖地巡礼|僕がロードスターで最初に目指した理由」とキャプション
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目次

僕にとって「椿ライン」が特別な道であるということ

『ああ、やっぱりこの道は、何度走っても特別な気持ちになるな』

ロードスターのハンドルを握り、森の奥深くへと続く道を走りながら、僕は静かにそう思います。

僕のYouTubeチャンネル、その最初の動画になぜ「椿ライン」を選んだのか。

それは、バイクで駆け抜けた学生時代、自転車で汗を流した40代、そして50代。ロードスターと共にいる今、僕自身の記憶が幾重にも重なった場所だからです。

まずは多くを語らず、ロードスターRFと新緑の椿ラインが織りなす世界に、少しだけ浸ってみてください。

この記事は、このドライブに込めた僕の個人的な「想い」を語ることで、動画を少しだけ、深く、楽しんでもらうためのガイドのようなものです。

別の動画の解説もご覧ください。

ロードスターに至るまでの椿ラインの記憶

「うわ、対向車だ!」

心臓が止まるかと思った。30年以上前、バイクのハンドルを握っていた僕にとって、椿ラインはそんなスリリングな道でした。賑やかな湯河原の温泉街を抜け、森の中へ入ると、まるで俗世を離れて神聖な世界に入っていくような感覚を覚えたものです。 当時乗っていたのは、Honda VT250、その後は、Kawasaki FX400Rでした。

もっとも、当時は若かったですから、峠道に入るととにかく駆け抜けるのが好きでした。身近で冷っとする場面も多かったです。特に椿ラインは道が狭く、ブラインドコーナーの先からクルマが現れるたびに心臓が止まるかと思うくらい、いつも緊張と隣り合わせでした。

次にこの道を深く知ったのは、40代で始めたロードバイク(自転車)でした。Trekのフルカーボンの車体を何度か乗り換えました。

自分の脚で登る椿ラインは、全く違う顔を見せます。聞こえるのは、自分の荒い呼吸音と、鳥のさえずり、風で木々がこすれる音だけ。森特有の湿った空気を感じながらペダルを漕ぐ時間は、まるで自分と向き合う瞑想のようでした。そして、厳しい坂を登りきった先にある「しとどの窟」のあたりから見下ろす、キラキラ光る相模湾の景色は、今でも忘れられないご褒美です。

2 頭文字Dの記憶を追体験する、3つの聖地

そして今、僕はロードスターのシートにいます。

オープンエアで、ヘルメットに遮られないダイレクトな風を感じながら走るこの道は、また新しい感動を与えてくれます。『頭文字D』の存在を知ったのは、ちょうどロードバイクでこの道に通っていた頃。忠実に再現されたアニメの風景 を思い出しながら、物語のクライマックスが描かれた3つの聖地を巡ります。

① 最終ストレート|伝説が生まれた奇跡のフィニッシュ

ふもとから駆け上がってきて、最初に現れる聖地。それは、物語の”終わり”が描かれた場所です。

イニシャルDの最終決戦のゴール地点の写真

バイク時代に最も緊張を強いられたタイトなコーナーが連続するこのエリア。ここで、あの伝説的なフィニッシュ――エンジンブローでコントロールを失いながら、バックでゴールラインを駆け抜ける――が生まれたのです。

正直、「ここで追い抜くなんて、無理!」と、何度も走った身としては思います(笑)。でも、物語の世界に入り込んでハンドルを握っていると、「ひょっとして…」と思わせてくれる何かがこの道にはある。それが聖地巡礼の醍醐味なのでしょうね。

若い頃に感じた恐怖は、今はロードスターを操る喜びに変わりました。動画でもロードバイクを追い越すシーンがありますが、彼らに敬意を払って、ゆっくりと。乗り物は変わっても、この道を愛する気持ちは同じです。

② しとどの窟|拓海と信司、運命が交錯するヘアピン

次に現れるのは、ロードバイク時代に僕の心を癒してくれた絶景ポイント「椿台ヘアピン」。物語では、藤原拓海と乾信司のAE86同士の対決。二人の運命が激しく交錯した場所でもあります。

しとどの窟(いわや)ヘアピンの写真

インパクトブルーの真子と沙雪が見守る前で、信司が拓海のハチロクを無理やりオーバーテイクしていく、あの名シーンの舞台です。

この「しとどの窟」には、源頼朝が身を隠したという伝説が残っています。日本中に数多く残る英雄伝説のように、それもまた、人々の想いが紡いだ一つの物語なのかもしれません。

そう考えると、フィクションであるはずの『頭文字D』の名勝負も、もはや単なるアニメの一場面ではないように思えてきます。これだけ多くのファンが訪れ、同じ情景に心を震わせることで、この新しい物語もまた、この土地に刻まれた本物の「伝説」になりつつある。僕はそんな感慨にふけっていました。

③ 航空路監視レーダー|高橋啓介、勝利へのヒルクライム

そして、ヒルクライムのゴールが近づくと、不意に視界が開け、空が広がります。

そんな最高のロケーションに、突如として現れるのが航空路監視レーダーです。

航空路監視レーダーが遠望できる写真

自然の中に現れる巨大なテクノロジーの象徴。この白い球体こそ、高橋啓介と北条豪のヒルクライムでの対決が決着した、最終決戦の地の目印。啓介が全開スパートをかけた場所です。ロードスターで走ると、コーナーを抜けた先で視界とエンジン音が空に抜けていくような感覚があり、まさに最高のクライマックスにふさわしい舞台だと実感します。

「頭文字D」聖地巡礼のルート「椿ライン」のドライブまとめ

僕の記憶が眠る道、椿ライン。このドライブに込めた想いを、少しでも感じていただけたでしょうか。

しかし、この日の旅は、椿ラインを登りきったところで終わりではありません。その先には、まるでご褒美のような絶景ルート、芦ノ湖スカイラインが待っています。

ここは通行料が少し高いこともあり交通量は少なく、明るい尾根の上を中速コーナーがリズミカルに続く、まさにロードスターで走るためにあるような道。右手には穏やかな芦ノ湖が、左手には駿河湾と三島の街並みが広がる、日本でも指折りのスカイラインです。

そして、この旅の終着点が三国峠。ここから雄大な富士山を眺めていると、この日のドライブがまるで一本の物語のように感じられました。

芦ノ湖スカイラインからの駿河湾の眺望写真

その物語の序章である椿ラインの記憶を、ぜひ動画でも追体験してみてください。

もしよろしければ、ヘッドホンを使ってみてください。 エンジン音の合間に、木々の間から降り注ぐ鳥の声が聞こえるかもしれません。それこそ、屋根のないクルマで森を走る、最高の贅沢の一つなのですから。

芦ノ湖スカイラインからの眺望写真に「椿ライン「頭文字D」聖地巡礼|僕がロードスターで最初に目指した理由」とキャプション

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