「まかせて、ラクして、高く売ろう」のフレーズでCMや広告でよく目にするユーカーパック。
「自動車の流通を革新する」とか、「中古車買取の新しい仕組みを提供している」なんて言っていますが、本当なのでしょうか?
これまで一括査定サイトを使ってクルマを売却してきた筆者が、ユーカーパックで愛車を売却してみました。
その結果は…。
目標としていた売却額で売却することができ、担当者の対応も丁寧だったのでおおむね満足でした。
意外だったのは、オークションで価格が吊り上がっていく臨場感が体験でき、ゲーム感覚で楽しかったことです。
他の方におすすめできるサービスだと思いました。
ただ、利用する上で注意点があるのも事実。
メリットだけでなく、デメリットもしっかり理解した上で利用する必要があると思います。
今回は、ユーカーパックを利用してみて感じた満足点と注意点をご紹介します。
ユーカーパックの評判や口コミについては、こちらの記事をご覧ください。
1 中古車のオークション査定サービス「ユーカーパック」とは
1-1 ユーカーパックの概要
ユーカーパックは、次のような売り文句で訴求しているサービスです。
車買取オークションは、従来の中古車買取の仕組みと大きく違う。
①かんたん
車の査定は1回だけ
②安心
個人情報が多くの会社にわたることはない。
③高く売れる
競り合って買取額がグングン上がる仕組み。
1-2 ユーカーパックのサービスの本質
上の説明は、一括査定サイトのサービスと比較する売り文句なので、そのサービスを知らないユーザーにはわかりにくいかもしれません。
ユーカーパックのサービスを簡単に表現するなら、こうなります。
「ユーザーのクルマをユーカーパック主催のカーオークションに出品するサービス」
オークションですから、出品物であるクルマをバイヤーが競り合い、最高値を付けたバイヤーが競り落とすという仕組みです。
主催者:ユーカーパック
出品者:ユーザー
バイヤー:中古車買取業者、中古車販売業者、中古車輸出業者、廃車専門の買取店など全国で約8500社
この図は比較的わかりやすいと思います。
この図は、ユーカーパックのサービスをバイヤーである中古車業者に説明するために作成されたものです。バイヤーに向けには “UcarBID” というサービス名になっています。
2 ユーカーパックを利用して売却した愛車
2-1 愛車の概要
筆者が新車から約3年間乗った愛車です。海へ山へ、季節によらず遠くへ連れだしてくれた相棒ですが、買い換えを決意しました。
- 車種:フォルクスワーゲン ティグアン
- グレード:TDIハイライン
- 車体色:オリックスホワイトパール
- 年式:2019年式
- 走行距離:2万3千キロ
- 車検:残り1か月(2022年11月)
- 修復歴:なし
2-2 査定額
ア 愛車の小売相場
愛車を売却する前に、同等の中古車が中古車の小売市場でどのくらいの相場となっているかを確認しました。
クルマを売却するときには、クルマの価値を正確に把握することが不可欠です。
カーセンサーや価格.COMなどのサイトを確認し、状態が一番近かったのはこの個体。
ご覧のとおり車両本体価格は375万円となっています。
つまり、筆者の愛車は、最終的にはこの金額付近の額で小売りされることになると想定できるわけです。
クルマの相場については、こちらの記事で詳しく書いています。
イ 愛車の査定額
ユーカーパックに申し込む前に、愛車をディーラーに査定してもらいました。その結果がこちらです。
気になっていた新車をディーラーに見に行ったときに、愛車を下取りに出す前提で、見積書を作ってもらいました。ご覧のとおり査定額は、245万円でした。
中古車販売額375万円とディーラーの査定額が245万円には、130万円もの開きがあります。ディーラーの下取りでは損をしてしまう場合が多いのです。
ディーラー下取りについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
3 ユーカーパックを使った愛車の売却額
3-1 売却目標額
クルマを売却する際には、売却額の目標を設定することが非常に重要です。
筆者は、売却目標額を330万円に設定しました。
この金額は、小売価格の375万円から中古車業者の利益と経費に相当する45万円を引いたものです。
この45万円は通常、車体価格の10%から15%の間で見積もられますが、今回は12%を基準に計算しました。
売却目標額について詳しくはこちらをご覧ください。
3-2 愛車の売却額
詳しくは、以下で書きますが、結果的にユーカーパックで売却できた金額は、目標額ジャストの330万円でした!
愛車ティグアンの売却額としては、限界か限界に近い売却額であると思います。満足できる金額でした。
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4 ユーカーパックの手続きの流れ
大きく分けると次の7段階になります。
4-1 ネット上での申込み
例えば、このバナーから次の画面に入力します。
これらのページを入力することで、ユーカーパックのログインページにマイページが作成されます。
このようなメッセージが出でたら登録完了です。
「30秒でクルマの概算価格がわかります」と表示されるので、クルマのグレードを入力して金額を表示してみます。
あわせて、査定の希望日も入力できますので、入力します。
今後の動きはすべてマイページで確認できるようになります。
ちなみに、ティグアンの概算価格は、200万円から253万円と表示されました。
この金額は、実際の査定額に一切関係ありませんので、気にしなくても大丈夫です(期待値を下げるためのものと思われます)。
ポイント①
筆者がこれまで使ってきた「一括査定サイト」との違いですが、一括査定の場合、この時点で査定を希望する各社から、査定のアポ取りの電話が一気に入ります。いわゆる電話ラッシュという状態になってしまうのです。でも、ユーカーパックでは、基本的に何も起こりません。翌日、電話が1本かかるだけです。
4-2 クルマの査定
クルマを売却するためには、実際に売却するクルマを見て、査定してもらう必要があります。
マイページに入力した希望の査定日に査定を受ける関して、ユーカーパックの担当者から電話連絡があります。
この担当者が査定担当者とも連絡を取り合いながら、ユーザーの希望に沿って査定の日時と場所を決めてくれます。
査定場所については、ユーカーパックが提携している「車査定店」になります。
筆者に指定されたのは、最寄りのヤマダ電機の駐車場でした。
査定のためのスペースがあれば、自宅で査定してもらえるようですが、たくさんの写真を撮りますので、ご近所のことを考えると、自宅以外の場所の方が良いと思いました。
指定場所には、査定の担当者が来ており、挨拶をすませると早速査定の開始です。同席する必要はありません。
約1時間程度でしたが、終わったところで電話連絡を受けることになりました。
喫茶店が併設された店舗でしたので、時間をつぶすことは苦になりませんでした。
査定担当者からは、大きな傷や汚れがなく、大変良い状態だとことです。
以上で査定は終わりです。
ポイント②
一括査定サイトでは、価格を付けるすべての業者が個別に査定をしますので、何社も相手をする必要がありますが、ユーカーパックはこの1回だけです。
注意①
査定の時間は、一括査定の場合、1社あたり30分程度ですが、ユーカーパックは1時間ちょっとかかります。
査定の結果がマイページにアップロードされます。
こんな感じです。
この画面で写真が46枚アップロードされていることがわかります。
ポイント③
アップロードされた個人情報は、ユーザーの年代と住所の都道府県のみであることが確認できます。バイヤーである中古車業者には、氏名や住所の詳細の情報は提供されません。一括査定の場合には、サービスにもよりますが、数十社にユーザーの氏名や住所などの個人情報が提供されてしまいます。
4-3 売切価格やオークション開催日の設定
査定が終了するとユーパーパックの担当者から電話が入り、次のことを決めることになります。
①オークションの開催日
②売切価格
まず、①については、オークション開催日から10日以内に車両を引き渡す必要があるので、それを考慮に入れて開催日をユーザーの希望で設定します。
もし、それでは都合が悪い場合には、最大で1か月間以内であれば自由に設定できるそうです。
ただし、オークションに参加するバイヤーが引渡しまでに時間がかかる点をマイナス評価する場合もありますから、できれば引き渡せる日から10日以内で設定した方が無難でしょう。
注意②
万が一、決めた引渡し日に車両を引き渡せない場合、10万円のペナルティが課せられます。この点に注意して、売却日を定める必要があります。
②の売切価格は、売却可能な最低の金額のことです。
この金額を超えた額の入札が入ると、出品したクルマを売却しなければならなくなります。
なぜ売切価格が必要かというと、バイヤーである中古車業者は、仮に最高額を付けても、出品者が金額に満足してくれなければ落札できません。
しかし、売切価格が決まっていれば、その金額を越えた価格をつければ、確実に落札できますので、本気の値付けをするというわけです。
このため、売切価格をむやみに高く設定するのは避けた方が良いでしょう。
もし、売切価格の設定に自信がなければ、ユーカーパックの担当者がこれまでの取引実績から売切価格として妥当な金額を教えてくれます。
担当者は、筆者に次のように教えてくれました。
- 出品されたティグアンの取引相場は、290万円から310万円くらい
- 確実に売れるのは290万円
- お客様のティグアンは状態が良いので、ある程度高額な入札額がつくポテンシャルがある。
上に書いたとおり筆者の売却目標額は、330万円でしたが、「ポテンシャル」を信じて、売切価格を345万円としました。
注意③
ユーカーパックの場合、売切価格をいくらにするかが最大の難関になると思います。この金額を超えた入札があると売却が義務になり、キャンセルできませんので、慎重に決める必要があります。
担当者からは、「その金額では厳しいと思われるが、あり得ないわけでもない」とのコメントをもらいました。
また、このタイミングで次のような注意点の説明もありました。
- オークションは、7:00から18:00まで行われる。
- オークションの結果は、18:30に電話をする。
- 売切価格を超えた場合にキャンセルするとペナルティが生じる。
- 自動車税の戻り分とリサイクル料金の還付分は車両の売却金額に含まれる。
- 売却決定時の車両の引渡し場所は、自宅となる。
- 車両に査定後の傷が付くとクレームになる。
- 査定後の走行距離は、査定時から1000㎞以内に抑えてほしい。
- マイページに出品車両のアピールポイントをコメントしてほしい。
4-4 コメント欄への入力
マイページにあるユーザーのコメント欄に出品車両の情報を入力すると、バイヤーの方々へのアピールになるとのことで、書いてほしいと言われました。
さて、何を書けばよいのか。いろいろ悩んで、次のようなコメントにしました。
- 購入時にCPCスーパープレミアムコーテングを施工しました。
- その後もメンテナンスキットを利用して定期的にメンテンナンスしてきたので、水弾きは維持されています。
- 故障やトラブルはいっさいありませんでした。
- 定期点検は、毎回新車ディーラーで行っていました。
- 1人乗車がほとんどで、大事に乗ってきたので、自信を持ってオススメできるクルマです。
4-5 ユーカーパックの最大の特徴「オークション」の開催
いよいよオークションの開催です。
オークションの入札状況は、逐一マイページで確認できます。
7時から開始されていましたが、午前中には全く入札者が現れず不安になりました。
その後、12時50分に千葉県の業者が271万5千円を付けました。
この段階で、ディーラー下取りの金額を大幅に上回っています。
17時過ぎに改めて確認したところ、3業者の入札が出ていました。
この時点では、具体的な業者名は明らかにされません。業者名にモザイク処理がされています。
最高額は283万6千円。売切価格345万円との開きが大きすぎ、「ちょっと無理かな」という感じでした。
18時の締め切り付近になって、動きが活発になりました。6者が入札したようで、金額が少しずつ上がっていきます。
この時点で295万3千円
2者が争っているようです。入札額は、300万円を超えました。
締め切り時間を過ぎてもセリが終了しません。
どうやらどちらかが諦めるまで続けるようです。面白くなってきました。
入札額は310万円を超えましたが、入札ペースが落ちてきたような感じです。力尽きたのでしょうか。
最終結果は、次のとおり。
東京都の業者が付けた320万2千円が最高額でした。
残念ながら、売切価格はもちろん、売却目標額の330万円にも届きませんでした。
ポイント④
この時点での結果は残念でしたが、セリの様子をフォローしている間は、スリリングでワクワクする気持ちでした。思いがけず、楽しめました。
その後、ユーカーパックの「交渉担当者」から電話がありました。
この担当者から最終的な金額が320万円2千円であったと改めて報告がありました。
また、「売切価格に届かなかったが、最高額を付けた業者との交渉は可能」ということです。
これがユーカーパック名物の最後の一押し交渉です。
あらかじめ下調べしていたため、そのような一押しをしてくれるとは聞いていましたが、まさか交渉の担当者まで配置されているとは思いませんでした。
345万円と設定した売切価格を少し妥協できないかと丁重な申入れがありましたので、335万円までは下げることが可能と伝えました。
それを材料に、翌日、最高額を付けた業者と交渉してくれるようです。
4-6 ユーカーパックでの売却決定
翌日、交渉担当者から連絡があり、最高価格を付けた業者と交渉したところ、335万円は厳しかったが、330万円であれば引き上げられるとのことでした。
この時点で、売却目標額に達したため、売却することを担当者に伝えました。
最終的な結果は、こちらです。
金額も330万円に変更されていましたので、あとは、画面上にある売却を承諾するをポチるだけです。
「ポチッ」
併せて、車両の引き渡し希望日も入力します。第3希望まで指定できます。10日以内の日を指定する必要があります。
これまでバイヤーの業者名がモザイクで伏せられていましたが、このタイミングで、すべての業者名が表示されました。
落札者は、東京都の小規模な中古車販売店でした。
ポイント⑤
こういう小規模な中古車業者は、一括査定には参加できないと思われます。査定員をいつでも派遣できないためです。そのような小規模な販売店と巡り会うことができる点はユーカーパックの特徴です。
4-7 売却手続きと車両の引き渡し
翌々日にユーカーパックからレターパックで必要書類が送られてきました。その中で案内されている次の書類を提出します。
- 譲渡証明書
- 委任状
- 自動車税還付手続き書類
- 印鑑証明書(2枚)
- リサイクル券
- 自動車税の支払い証明書
1.から3.は、未記入の書類がレターパックに入っています。2.に実印の押印が必要になりますので、3.も必要です。
5.と6.は、ユーザーが保管している書類です。
車両の引き渡し日は、忘れ物をチェックして、いよいよ愛車とはお別れです。
引き渡しには、陸送会社が来ると思っていましたが、事前に連絡があり、落札した業者の担当者が来ることになりました。
330万円の売却額が自分の口座へ振り込まれるのは、3営業日後になります。
注意④
書類も車両もすべて引き渡してから3営業日後に売却額の支払いを受けることになります。落札した業者は、引渡日には、落札額をユーカーパックに振り込んでいますので、安心して大丈夫ですが、クルマもお金もない2日間は不安になります。
もちろん予定どおり330万円が振り込まれていました。
5 中古車買取相場が高騰
2024年11月現在、中古車相場が高騰していることをご存知ですか?
中古車バブル崩壊後、再び相場が上昇し最高水準に達しているのです。
今は、愛車を高額で売却するチャンスと言えるでしょう。
ユーカーパックでは、愛車の相場を確認してみることもできます。買取相場の確認だけなら簡単入力30秒です。
愛車を売却しても、結果的に売却しなくても無料で利用できるので、失うものはありません。
6 ユーカーパックの満足点と注意点まとめ
ポイントと注意点をまとめると次のとおりです。
ポイント
- 一括括査定の場合、アポ取りの電話ラッシュになりますが、ユーカーパックでは、担当者からの電話1本です。
- 一括査定サイトでは、何社も個別に査定しますが、ユーカーパックは1回だけです。
- 一括査定では、ユーザーの個人情報が何十社にも提供されますが、ユーカーパックでは、ユーザーの年代と所在の都道府県のみが各バイヤーに提供されます。
- セリの入札の動きをフォローするは、ワクワクしてスリリングです。案外、楽しめます。
- 地方の小規模な中古車業者と巡り会える点は、ユーカーパックの特徴です。
注意点
- 査定の時間が、一括査定の場合の1社あたり30分程度ですが、ユーカーパックは1時間ちょっとかかります。
- ユーザー自身が決めた引渡日にクルマを引き渡せない場合、10万円のペナルティが課せられます。
- 「売切価格」をいくらに設定するかが最大の難関になります。この金額を超えた入札があると売却が義務になり、キャンセルできません。
- クルマを引き渡した後、入金されるのは3営業日後です。
その他に注意点があるとすれば、査定前の洗車です。
写真映りが良い方が有利だと思いますので、参考にしてみてください。
筆者は、ディーラー下取り査定で245万円だった愛車をユーカーパックを利用して330万円で売却できましたが、車種や年式によって条件は変わると思います。
\概算相場の無料チェックだけなら「入力かんたん30秒」/
皆さんが愛車を売却する際には、いろいろな方法を試してみることをおすすめします。
ちなみに、ユーカーパックはローン返済中でも利用可能です。
★筆者のコメント
ユーカーパックを使って愛車を売却してみて、おおむね満足でした。なによりも売却額が目標に達しましたし、担当者は何人か変わりましたが、どの方も丁寧で、不快に感じる部分はありませんでした。全体の手続きには時間がかかる面がありますが、進捗の状況はすべてマイページで確認できるので、把握はしやすかったです。
ただ、引き渡し日を破ったり、売切価格を超えた入札があったのに、売却しなかったりするとペナルティがあります。さらに入金までに空白の3日間がありますので、そのような注意点を許容できる方にはおすすめできるサービスです。
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