【2024年】新型マツダロードスターの改良点を旧型オーナーが評価

2024年モデルの新型ロードスターを旧型オーナーが評価と表示したロードスターの写真
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2023年10月、マツダが待望の2024年モデルのロードスターとロードスターRFの詳細を発表しました。

今回の年次改良はこれまでの改良とは異なり、大規模で刺激的なものです。

2023年モデルのロードスターRFのオーナーとしては、うらやましい限りです。

しかし、990Sなどのグレードの廃止など、一部に残念な要素も存在するのは事実。

特に、価格の大幅な上昇には、ショックを受けました。

そこで、今回は、「ロードスターと暮らす⑥」として、旧型のオーナーが改良の細部まで1つずつ評価し、価格の上昇に見合った改良なのかどうかを検証してみました。

細部の変更点を見ていくと、報道などでは出ていない意外な変更点も見えてきましたので、どうぞお楽しみに。

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この記事のまとめ

改良された項目は、全部で43項目。

評価は、「〇」が25項目、◎」が3項目。

「今回の改良が価格の上昇に見合ったものと言えるか」に対しては、「価格の上昇に相応の改良が行われた」と評価できる。

開発陣の情熱と努力に支えられて生み出された新型ロードスターは素晴らしいクルマであることを改めて確信しました。

2024年モデルのロードスターのグレードの選び方とおすすめグレードについては、こちらの記事でまとめています。

目次

1 年次改良の概要

今回の年次改良をメーカーは「商品改良」と言っています。

2015年にNDロードスターがデビューして以来、何度も年次改良が行われてきましたが、外装(エクステリア)の変更はありませんでした。

しかし、今回の商品改良は、外装を含むクルマ全体に改良点が及んでいますので、事実上、ビッグ・マイナーチェンジと呼ぶことができるでしょう。

2024年モデルのNDロードスターの正面右からの写真

具体的な改良点は、筆者が確認できただけでも、全部で43に及び、大まかに分類すると以下の5つに分けられます。

  1. グレード構成と価格
  2. 内外装とデザイン
  3. 安全性能とセキュリティ
  4. マツコネとオーディオ
  5. 走行性能

これらの分類に含まれる各変更点に、筆者の見解と主観的な評価を加えていきます。

なお、今回の改良では、筆者が個人的にロードスターの「欠点」だとしていた5点は1つも改良されませんでした。

今回の改良の目的が「アップデート」にあって、ユーザーの要望に応えることを主眼としていないということかもしれません。

筆者が考える「RFの美点と欠点」については、こちらの記事をご覧ください。

2 具体的な改良点と評価

2-1 グレード構成と価格

まず、今回の商品改良で一番のインパクトがあるのが、990Sの廃止価格の大幅な上昇です。

グレードと価格の変更に関する評価は次のとおりです。

改良点と評価対象グレード
1価格の上昇全グレード
2Sレザーパッケージ・Vセレクションの新規追加ソフトトップ
3990S、Sレザーパッケージ・ホワイトセレクション、ブラウントップの廃止ソフトトップ
4VSテラコッタセレクション、VSホワイトセレクションの廃止RF
5リサイクル料金の値下げ全グレード

グレード構成の骨格は変わっていませんが、特別仕様車とグレードの派生車である「セレクション」系の車種が廃止になっています。

その結果、何よりも残念なのがNDロードスター史上の最高傑作ともいえる特別仕様車990Sが廃止されたことです。

ロードスター990Sを後ろから見た写真
画像引用:山口マツダ

メーカーの担当者は、「希少性という価値を持たせておきたかったので、今回は2年という目処で販売を中止しました」とコメントしています。

とはいえ、もっともロードスターらしい走りが堪能できるグレードだったので残念です。

990Sの評価については、この記事でまとめています。

そして、筆者の愛車ロードスターRF・VSテラコッタセレクションも廃止となってしまいました。

2022年から2年間のみの販売されたモデルということになります。

テラコッタ色のナッパレザーシートに魅了された筆者にとっては、残念です。

roadsterRFのVSテラコッタセレクション。海を背景にした写真

一方、良いニュースもあります。

SレザーパッケージVセレクション」の新設です。

ロードスターSレザーパッケージ Vセレクションの写真
画像引用:マツダ

ベージュカラーの幌が採用されており、「ドリフトウッド」という帆布や麻のようなテクスチャーのある素材で仕上げられています。

また、シートにはナッパレザーのスポーツタン色が採用されました。

Sレザーパッケージ Vセレクションの内装の写真
画像引用:マツダ


ドアトリムやインパネ、センターコンソールも同色の合成皮革で覆われており、内外装に統一感があります。

メーカーの担当者はこのグレードを評して「NAロードスターに設定されていたVスペシャルを彷彿させるようなヴィンテージな装いのグレード」としています。

34年の歴史に裏打ちされたロードスター固有の懐かしさが感じられます。

このグレードの新設は、大いに評価したいところです。

ユーノスロードスターのVスペシャルの写真
NAロードスターVスペシャル。画像引用:ユーノス

次に価格の上昇についてです。

昨今の部品調達コストの上昇などによって、各自動車メーカーが値上げを行っています。

マツダも2023年の商品改良で多くの車種の値上げを行っていますので、ロードスターも値上げは避けられません。

しかし、ロードスターの価格の上昇幅はCX-5やMAZDA2と比較して大きなものとなっています。

具体的に見てみます。

ソフトトップ

グレード変速機旧価格(円)新価格(円)値上げ額値上げ率
SMT2,689,5002,898,500+209,000107.8%
NR-AMT2,843,5003,064,600+221,100107.8%
S Special
Package
MT2,906,2003,087,700+181,500106.2%
AT3,021,7003,203,200+181,500106.0%
990SMT2,959,000廃止
S Leather
Package
MT3,257,1003,498,000+240,900107.4%
AT3,372,6003,613,500+240,900107.1%
BROWN TOPMT3,257,100廃止
AT3,372,600
S Leather
Package
White Selection
MT3,297,800廃止
AT3,413,300
S Leather
Package
V Selection
MT -3,553,000
AT -3,668,500
RSMT3,422,1003,679,500+257,400107.5%

RF(リトラクタブルハードトップ)

グレード変速機旧価格(円)新価格(円)値上げ額値上げ率
SMT3,527,7003,796,100+268,400107.6%
AT3,555,2003,823,600+268,400107.5%
VSMT3,823,6004,154,700+331,100108.7%
AT3,851,1004,182,200+331,100108.6%
VS White
Selection
MT3,864,300廃止
AT3,891,800
VS Terracotta
Selection
MT3,864,300廃止
AT3,891,800
RSMT3,988,6004,308,700+320,100108.0%

価格の上昇率を右側に記載しました。

6%から8%の値上げになっています

30万円を超える値上げとなるグレードもあり、ロードスターが手に届きにくいクルマになってしまうようで残念です。

総合的な評価としては、価格の上昇とグレードの廃止はもちろん「×」です。

しかし、Sレザーパッケージ・Vセレクションが新設されたことで、中間グレードに新たな選択肢が加わり、全体のバランスが保たれたと言えます。

マツダは、同時期に商品改良を行ったCX-5やCX-3、そしてMAZDA2でも、グレードの数を減らしており、生産車種を絞ることでコスト削減を図っています。

ロードスターのグレード廃止と値上げは、メーカーの方針に沿ったものと言えるでしょう。

☆キラリと光る小さな改良点
些細のことですが、今回の改良でリサイクル預託金が1,720円減少し、9,020円となりました。これはエアコンの触媒を変更した結果、フロン類の処理料金が不要になったからだと考えられます。僅かな「値下げ」ですが、嬉しい変更ですね。

2-2 内外装とデザイン

次に内外装とデザインの改良点の評価です。

2-2-1 外装(エクステリア)の改良点

外装デザインの変更点をすべて一覧にまとめると、以下のとおりです。

改良点と評価対象グレード
6新色エアログレーメタリックの追加全グレード
7プラチナクオーツメタリックの廃止全グレード
8デイタイム・ランニングランプの追加全グレード
9リアコンビランプのデザイン変更全グレード
10外装ランプのLED化全グレード
11ホイールデザインの変更全グレード
1217インチホイール切削加工:ブラックメタリック塗装の採用RF:S,VS
132トーン(ピアノブラック)ルーフの標準化RF:RS
142トーン(ピアノブラック)ルーフのオプション落ちRF:VS

まず、ボディカラーについては、「エアログレーメタリック」が新たに設定されています。

シンプルなグレーですが、メーカーはそれを「スムーズに勢いよく流れる空気の流れをイメージ」したものと説明しています。

エアログレーメタリックの2024年型ロードスターの正面の写真

一方では、プラチナクオーツメタリックが廃止されています。

このカラーの入替えの背景については、おそらく生産側の都合が影響していると考えられます。

ロードスターの生産拠点である広島の本社工場(宇品工場)では、エアログレーメタリックはCX-3のみで採用されており、他の車種では使用されていません(2023年10月現在)。

一方で、プラチナクオーツメタリックは、CX-30で使用されている他、2023年の商品改良でCX-5に新たに採用されました。

売れ筋のCX-5にプラチナクオーツメタリックを供給する必要があったため、採用車種の少ないエアログレーメタリックが新規に採用されたと推測されます。

ロードスターRFのプラチナクオーツメタリックのサイドビュー

愛車の車体色は、プラチナクオーツメタリックです。

ロードスターにこの色が採用されて、僅か2年で廃色となってしまいました。

テラコットカラーのシートとの相性が気に入っていましたが、両方ともカタログ落ちです。

次に外装部品の変更点です。

ボディのパネル類の形状には一切変更はなく、変更されたのはランプ類です。

大きな変更点ではありませんが、NDロードスターの外装における唯一の欠点がランプ類の古さでしたので、この点が改善されたのは大いに評価できます。

ロードスター新型ランプ類の新旧比較写真
画像引用:マツダ報道関係者向け説明資料

デイライトがヘッドライト内部に組み込まれました。

これまではフロントバンパーにオプションで付ける形でしたが、全車に標準装備されましたから、ロードスターの新たな表情を形作ることになるでしょう。

デイライトのランプは、サイドターンランプとポジションランプを兼ねることになります。

ロードスター新型のバックライトの新旧比較写真
画像引用:マツダ報道関係者向け説明資料


リアのコンビネーションランプも若干変更になっていますが、オーナーでないと気付かないレベルの変更です。

ただし、バックライトの位置が変わった点は見逃せません。

従来は、リアバンパーの下部に配置されていました。

ロードスターの旧型のバックライトの位置を確認できる写真

一方、新型ではコンビネーションランプに組み込まれて、ランプの中央が発光する仕様となりました。

ロードスターのバックライトの新旧比較写真
画像引用:マツダ報道関係者向け説明資料

細かいことですが、かなり印象が異なりますね。

ちなみに旧型でバックライトがあったところには反射板が付いています。

バックライトがなくなり反射板に変更された写真

外装では、ホイールの変更も大きな点です。

サイズは変わりませんが、デザインがかなり変更になっています。

ロードスターのアルムホイールの新旧比較写真
画像引用:マツダ報道関係者向け説明資料

ソフトトップモデルでは、大きな変更がないように見えますが、実物を見ると幾分シンプルになった印象です。

2024年モデルのロードスターのホイールデザイン

RFも、スポークが1本から2本となったことで、全く別のデザインとなりました。

ホイールのデザインについては、好みの問題が大きいので、「改良」というよりも単に「変更」といえるでしょう。
したがって、評価は「△」としました。

☆キラリと光る小さな改良点

外装の変更でRFに興味のある方が注目するべきなのは、2トーン・ルーフ(ルーフ部のピアノブラック塗装)の標準化ではないでしょうか。

従来は、メーカーオプション(55,000円)でしたが、RSグレードにおいて標準装備となりました。

2トーン・ルーフを取り付ける予定の方であれば、実質的には値下げになりますので、喜ばしい変更です。

ただし、その他のグレードではオプションからも落とされていまいました。この辺りも生産コスト削減の一環でしょう。

ロードスターの2トーン・ルーフの写真
2トーン・ルーフのRF。画像引用:みんから

ちょっと休憩。。

NDロードスターを新車で買うには資金が必要。

2024年6月現在、中古車相場が中古車バブル期(2022年9月頃)並みに上昇していることをご存じですか。

今はクルマ売却のチャンスなのです。

2-2-2 内装(インテリア)の改良点

続いて、内装の変更点を一覧にすると次のとおりです。

改良点と評価対象グレード
15シート色スポーツタン(ナッパレザー)の追加幌:SレザーVセレクション、RF:VS
16ファブリックシートの座面と背部にレガーヌを採用幌:Sスペシャルパッケージ、RF:S
17センターコンソールのサイド素材に合成皮革を採用幌:S,Sスペシャルパッケーシ,
NR-Aを除く全車
18自動防眩ルームミラーのフレームレス化幌:S,NR-Aを除く全車
19メーターパネルの視認性向上全グレード

旧型のオーナーにとって、もっともインパクトがある改良点の1つがセンターコンソールのサイドの面が人工皮革になったことでしょう。

2024年モデルのロードスターの内装

個人的にはこの改良点が最もうらやましいです。

手に触れる部分でもあるため、質感の向上がダイレクトに伝わってきますし、高級感が増したと実感できる部分かと思います。

原稿のロードスターのセンターコンソールの写真

写真では見えにくいかもしれませんが、従来は樹脂素材です。

手触りも悪く、シート色とも異なっており、残念な部分でした。

この部分が変わると満足感が増すように思います。

次に自動防眩ルームミラーのフレームレス化です。

一部のグレード(ソフトトップのSとNR-A)を除き、自動防眩ミラーのフレームがなくなりました。

新型ロードスターのバックミラーの写真
画像引用:マツダ

スッキリ感が増して現代的になった印象です。

この写真には、エマージェンシーコールシステム用の「SOS」ボタンも写っています。これも新採用です。

緊急時に長押しすることで緊急通報オペレーターに車両の位置情報と緊急信号を送信します。

最後にメーターパネルの変更です。

ロードスターのメーターパネルの新旧比較写真
画像引用:マツダ報道関係者向け説明資料

漆黒の文字盤とハイコントラストな針に置き換えられ、左のメーターは全車でデジタル表示に変更されました。

ロードスターの新型のメーターパネル
画像引用:マツダ

この部分はそれほど大きな前進とは言えないので、評価も「△」としています。

内外装の全体としては、アップデートされて、ロードスターが最新車種に生まれ変わった印象です。

これまでのロードスターの弱点をしっかり補った内容なので、大いに評価できるものです。

2-3 安全性能とセキュリティ

今回の商品改良では、安全性能にも変更が加えられました。

改良点と評価対象グレード
20マツダ・レーダー・クルーズ・コントロールの採用幌:S,NR-Aを除く全グレード
(Sスペシャルパッケージはオプション)
21スマート・シティ・ブレーキ・サポート・リアコーナーの採用全グレード
22衝突二次被害軽減システムの採用全グレード
23サイドエアバッグの標準化NR-Aを除く全グレード
24ドライバー・アテンション・アラートの標準化全グレード
25エマージェンシーコールシステムの採用全グレード
26バーグアラームシステムの標準化全グレード

この中で最も大きいのは、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)の採用です。

レーダーセンサーが前方車を検知すると、運転者が操作しなくても、車間距離との距離を一定に保つ追従走行ができるシステムです。

マツダ・クルーズ・コントロールの概念図
画像引用:マツダ

特にAT(オートマチックトランスミッション)車は、全車速追随機能付きですので、高速道路だけでなく、一般道路でも活用できるシーンが増えるでしょう。

また、マツダオンラインナビ用SDカードとの同時装着で、速度標識連動機能も使用可能になります。

従来の前時代的なクルーズコントロールと比較すると、グッと使用頻度が増えそうです。

ただし、レーンキープアシスト機能がないことには、注意が必要です。

マツダのレーンキープアシスト機能の説明図
新型に非装着のマツダのLAS(レーンキープアシストシステム)
画像引用:マツダ

高速道路などで運転の負担を軽減するために、アクセルだけでなく、ステアリングの操作も自動化することが効果的です。

しかし、ロードスターの本質は運転を楽しむことにあり、ステアリングはその魅力の象徴です。

そのため、機械に委ねて、自動化してしまっては本末転倒になりますから、やむを得ないところでしょう。

また、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)の採用で気になるのは、フロントグリルの右側にレーダーセンサーが装備されたことです。

2024年モデルのロードスタに装備されたレーダーセンサー

電子プラットフォームの最新アップデートにより、センターから外れた位置に取り付けられた新しいミリ波レーダーのセンサーです。

レーダーの照準器のような意匠の箱がシンメトリーを崩す位置に設置されたことに、違和感を覚えるユーザーがいるかもしれません。

次のトピックは、スマート・シティ・ブレーキ・サポート・リアコーナー(SBS-RC)の採用です。

スマート・シティ・ブレーキ・サポート・リアコーナー(SBS-RC)の概念図
車速約15km/h以下の後退時に左右や後方からの接近にブレーキ介入。画像引用:マツダ

従来モデルにも、前身のSBS-Rが搭載されていました。

今回の改良で「コーナー」の「C」が追加されたということです。

つまり、真後ろだけでなく、後方の側面(コーナー)からの接近にも自動的にブレーキが介入するという点が今回の進化のポイントです。

従来も、後方側面からの接近には警告音が鳴るような仕様でしたので、大きな進化とはいえません。

このため評価は「△」としています。

また、全車に「衝突二次被害軽減システム」が採用されました。

走行中にエアバッグが作動するほどの衝突事故が起きると、非常点滅灯を点滅させ、ブレーキ制御をして障害物などに衝突する被害を軽減するシステムです。

これは緊急時の安心感につながるシステムなので高く評価できます。

さらに、エマージェンシーコールシステムが採用された点も見逃せません。

エマージェンシーコールシステムのイメージ図
画像引用:マツダコネクティッドサービス取扱説明書


衝突事故の検知やSOSボタンによって、外部に自動的に連絡するシステムも安心感がありますね。

☆キラリと光る小さな改良点

バーグラアラームシステムがひっそりと全グレードに標準で装備されました。

鍵をこじ開けようとするなど不正な方法で車内に侵入されたときに、ホーンで警告するセキュリティシステムです。

従来は、ディーラーオプションで18,480円(i-stop/i-ELOOP車は14,520円)でした。

アナウンスはありませんが、CX-5と同じシステムなら作動要因とともにMyMAZDAアプリへお知らせ通知が送られる機能も付いていると考えられます。

車両価格は上がりましたが、このような価値のあるオプションが標準化されているのは歓迎したいですね。

バーグラーアラームシステムの警告ステッカー

全体としては、安全性能のアップデートは喜ばしいところです。

2-4 マツコネとオーディオ

改良点と評価対象グレード
278.8インチセンターディスプレイの採用全グレード
28車載通信機(コネクテッド)の採用全グレード
29マツダオンラインナビ用SDカードの採用全グレード
30Amazon Alexaの採用全グレード
31Android Auto, Apple CarPlayの標準化幌:S,NR-A
326スピーカーの標準化幌:S,NR-A
33地上デジタルTVチューナーの標準化RF:S
34ボーズサウンドシステムのオプション落ち幌:Sスペシャルパッケージ
RF:S
35CD/DVDプレーヤーの廃止全グレード
36AUXミニジャックの廃止全グレード

マツダコネクト、通称「マツコネ」の最新版へのアップデートは、今回の改良の中でも重要なポイントです。

スマートフォンとの連携を前提にした情報プラットフォームへの進化は、ユーザーにとって待望の改良と言えるでしょう。

まず、センターディスプレイが大型化して、スタイリッシュに更新されました。

2024年モデルのロードスターのセンターディスプレー

7.0インチから8.8インチに大型化されましたが、画面がワイド化したため、過度な圧迫感もなく、ロードスターの小ぶりなダッシュボードに違和感なくフィットしています。

旧来のモニターはこんな感じです。

ロードスターの従来のセンターディスプレー

この変更により、印象が大きく変わり、いかにも最新のロードスターという感じになりました。

ただし、コントローラーは従前のまま変更されませんでした。

ロードスターのマツコネのコントローラー

CX-30などで採用されているものと比較すると寂しい感じですが、サイズやコストの問題で、取り付けられなかったと考えられます。

マツダCX-30のコントローラー
画像引用:マツダ

次に、マツダオンラインナビ用SDカードの導入です。

これは全車にオプション設定されたSDカードです。

マツダ。SDカードの説明文
画像引用:マツダ


オフラインの際には、従来どおり地図が表示され、オンラインでは、詳細な渋滞情報や周辺の駐車場、飲食店の情報なども表示されるようです。

処理速度も上がっており、使い勝手が向上しているでしょう。

ただし、注意が必要な点が2つあります。

① 価格が88,000円となり従来の51,520円から大幅値上げ
② 4年目以降が定額課金

特に、②については、現状では価格が公表されておらず、当初の3年間は無料ですが、その先の負担が気がかりです。
このため、評価は「△」としています。

一方、「Amazon Alexaの採用」は大いに評価したいところです。

どの自動車メーカーでも同じですが、独自に開発した音声認識ソフトは、音声の認識力が弱く使いえないものが多いです。

その点、Alexaなら、信頼できます。

ドライビングに集中したいロードスターであるからこそ、前方への視線を保持しながら、音声で程度の操作ができるようになるのは大歓迎ですね。

オーディオ関係では、CD/DVDプレーヤーAUXミニジャックが廃止されています。

筆者は、納車以来これらを使ったことがありませんし、今後も使うことはないと思いますので、前時代的な装備の削減は高く評価します。

☆キラリと光る小さな改良点

ソフトトップのS、NR-Aのグレードに6スピーカーが標準化されました。

従来は4スピーカーだったので、これらのグレードでは音質の向上が期待できます。

RSやVSなどBOSEサウンドシステムが標準装備のグレードでは、9スピーカーのまま変更はありません。

旧型のロードスターでは、マツコネの使い勝手の悪さを気にする方が多かったので、これが刷新された点は大いに評価できます。

2-5 走行性能

37アシンメトリックLSD
(ASYMMETRIC LIMITED SLIP DIFFERENTIAL)
の採用
幌のSを除く
全グレードのMT車
38DSC-TRACKモードの採用全グレードのMT車
39電動パワーステアリングの進化全グレード
40エンジンパフォーマンスフィールの進化全グレード
41エンジン出力の3kWの向上幌の全グレード
42Brembo社製ベンチレーテッドディスク&
Brembo社製対向4ピストンキャリパー
(レッド塗装)のオプション落ち
幌のSレザーパッケージ
RFのVS
43RAYS社製鍛造アルミホイールのオプション落ち幌のS,Sレザーパッケージ

ロードスターを改良するなら、走りのレベルアップが必須だということをメーカーの開発陣は心得ています。

ロードスターの人気が衰えないのは、開発陣がロードスターユーザーの要望をしっかりと把握している点が大きいからでしょう。

今回の走行性能の改良で最も注目したいのが、アシンメトリックLSDの採用です。

アシンメトリックLSDの採用を説明するパワポ資料
画像引用:マツダ報道関係者向け説明資料

メーカー担当者は、「減速側のLSD効果の作動制限力を強めることで後輪の荷重が減って不安定になりやすい減速時の姿勢を安定させました」と述べています。

それによって「街中ではさらに軽やかになり、ワインディングでは安定性が格段に向上」しているとのことです。

大いに期待できそうですが、評価は実際に試乗してみなければ難しいです。

しかし、期待値が高いので「〇」と評価しました。

次に「DSC-TRACKモードの採用」です。

roadsterに新規採用されたDSC-TRACKモードの採用について説明する報道関係者向け資料の一部
画像引用:マツダ報道関係者向け説明資料

「横滑り防止回遊制御介入の閾値を通常よりも深く設定(ある意味効きにくく)しており、素早いスピン挙動に陥った場合に限ってドライバーのカウンター操作に応じた制御が介入」するということです。

つまり、クルマの限界近くで走行した際に、多少テールを流して走ることができ、危険な領域では機械制御が介入し安全な姿勢に戻してくれるということでしょう。

しかし、サーキットを走行するユーザーは限られますから、このモードはほとんど使われないかもしれません。

このため、「△」と評価しました。

そして、電動パワーステアリングも進化しています。

従来以上に自然なフィードバック感を実現」したということです。モータージャーナリストの試乗レポートでは、異口同音に「上質感が増した」と言っていますので、期待が持てそうです。

エンジンについても改良され、ソフトトップの1.5Lについては最高出力が3kW(4PS)向上

さらに最新の制御が施されたことでスロットルのオンとオフに対するレスポンスが改善されています。

どの程度の進化なのか、実車に乗ってみたいところでが、期待値はマックスなのでもちろん「〇」評価です。

走行性能の改良では、大規模なものはありませんが、ニッチな部分や地味な改良をコツコツと行ってくれるのが嬉しいですね。

早く試乗してみたいところです。

☆キラリと光る小さな改良点

走行性能からは少し外れますが、今回の改良ではエンジンサウンドも見直されています。

エアクリーナーとインダクション・サウンドエンハンサーが改良され、主に吸気系のサウンドに磨きがかかったようです。

報道資料などでは一切触れられていない点ですが、どの程度良くなっているのか楽しみです。

3 まとめ

これまでのポイントをすべ一覧化するとこんな項目になります。
全部で43項目に上りました。

改良点対象グレード評価
1価格の上昇全グレード
2Sレザーパッケージ・Vセレクションの新規追加
3990S、Sレザーパッケージ・ホワイトセレクション、
ブラウントップの廃止
4VSテラコッタセレクション、
VSホワイトセレクションの廃止
5リサイクル料金の値下げ全グレード
6新色エアログレーメタリックの追加全グレード
7プラチナクオーツメタリックの廃止全グレード
8デイタイム・ランニングランプの追加全グレード
9リアコンビランプのデザイン変更全グレード
10外装ランプのLED化全グレード
11ホイールデザインの変更全グレード
1217インチホイール切削加工:
ブラックメタリック塗装の採用
RF:S,VS
132トーン(ピアノブラック)ルーフの標準化RF:RS
142トーン(ピアノブラック)ルーフのオプション落ちRF:VS
15シート色スポーツタン(ナッパレザー)の追加幌:SレザーVセレクション
RF:VS
16ファブリックシートの座面と背部にレガーヌ採用幌:Sスペシャルパッケージ
RF:S
17センターコンソールのサイド素材に合成皮革を採用幌のS,Sスペシャルパッケーシ
,NR-Aを除く全車
18自動防眩ルームミラーのフレームレス化幌のS,NR-Aを除く全車
19メーターパネルの視認性向上全グレード
20マツダ・レーダー・クルーズ・コントロールの採用幌のS,NR-Aを除く全グレード
ただしSスペシャルパッケージはオプション
21スマート・シティ・ブレーキ・サポート・リアコーナー
の採用
全グレード
22衝突二次被害軽減システムの採用全グレード
23サイドエアバッグの標準化NR-Aを除く全グレード
24ドライバー・アテンション・アラートの標準化全グレード
25エマージェンシーコールシステムの採用全グレード
26バーグアラームシステムの標準化全グレード
278.8インチセンターディスプレイの採用全グレード
28車載通信機(コネクテッド)の採用全グレード
29マツダオンラインナビ用SDカードの採用全グレード
30Amazon Alexaの採用全グレード
31Android Auto, Apple CarPlayの標準化幌:S,NR-A
326スピーカーの標準化幌:S,NR-A
33地上デジタルTVチューナーの標準化RF:S
34ボーズサウンドシステムのオプション落ち幌:Sスペシャルパッケージ
RF:S
35CD/DVDプレーヤーの廃止全グレード
36AUXミニジャックの廃止全グレード
37アシンメトリックLSD
(ASYMMETRIC LIMITED SLIP DIFFERENTIAL)
の採用
幌のSを除く全グレードの
MT車
38DSC-TRACKモードの採用全グレードのMT車
39電動パワーステアリングの進化全グレード
40エンジンパフォーマンスフィールの進化全グレード
41エンジン出力の3kWの向上幌の全グレード
42Brembo社製ベンチレーテッドディスク
&Brembo社製対向4ピストンキャリパー
(レッド塗装)のオプション落ち
幌のSレザーパッケージ
RFのVS
43RAYS社製鍛造アルミホイールのオプション落ち幌のS,Sレザーパッケージ

総合的な評価を行うと、25の項目に「〇」を付け、3つの項目に「◎」を付けました。

一方で「×」もいくつか存在しますが、ロードスターが今の時代にふさわしい進化を遂げたことは間違いありません

では、「今回の改良が価格の上昇に見合ったものと言えるか」に対しては、「価格の上昇に相応の改良が行われた」だと言えると思います

目に付きやすい点だけでなく、目立たない部分にも丹念に手を加え、細部まで丁寧に変更したことが、細かい点を観察して良く分かりました。

こうした開発者の「こだわり」があってこそ、今回の改良が実現できたのでしょう。

そのような開発陣の情熱と努力に支えられて生み出された新型ロードスターは素晴らしいクルマであることを改めて確信しました。

もし、価格の上昇を懸念してロードスターの購入を迷っている方々がいるなら、グレードを落としてでも買う価値のあるクルマだと太鼓判を押したいくらいです。

最後に

新型ロードスターを購入をご検討中に方もいらっしゃるでしょう。

ロードスターに乗ると人生が変わる」と言われることがありますが、筆者も同感です。

ロードスターに乗っているからこそ出会える場所や景色、そして新しい仲間たち。

そんな出会いを与えてくれるクルマだと実感します。

ただ、ロードスターRFの新車の乗り出し価格は、400万円以上。

2024年11月現在、中古車相場が中古車バブル期(2022年9月頃)を超えて高騰していることをご存じですか。

今は、車売却のチャンスなのです。

興味がある方はこちらをご覧ください。

筆者の経験談については、こちらにまとめていますので、参考にしてみてください。

新しい冒険のお手伝いになれば幸いです。

2024年モデルの新型ロードスターを旧型オーナーが評価と表示したロードスターの写真

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